産経新聞の二枚舌

9月5日月曜日曇り◯
九月二十八日に続いて、十月三日も下記のユーキャンという会社の「大地球儀」という宣伝が産経新聞に掲載されていた。

大地球儀
http://www.u-canshop.jp/chikyugi/psr11112.jsp?sid=rec_t_re
企画・発行    ユーキャン
地図・地球儀制作 渡辺教具製作所
地名編集協力   平凡社
地勢データー協力 東海大学情報技術センター
株式会社 ユーキャン
会社概要
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場4-2-38
代表取締役社長 品川 泰一

DSCN4183
この地球儀には支那と台湾との間に国境線が引かれていないだけでなく、「台湾」という表記がこの地球儀に国名で使われている太文字(ゴシック?)でなく、地名で使われている細文字(明朝体?)である。

 

スキャン 27103のコピー

数年前にも産経新聞にこの同じ広告が載っており、この会社に電話したことがあった。
その時に、折り返し電話をいただいたが、そのユーキャンの社員の山口さんという方は「日中共同声明に基づくものです。小学館など他社も同様に国境線が引かれていません」との事で、「では、あなたはどうなのですか。台湾は国ではないのですか」
という問いには答えなかった。

日中共同声明には
三 中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/nc_seimei.html

これについて、

http://www.taiwanembassy.org/ct.asp?xItem=58645&ctNode=3591&mp=202&nowPage=16&pagesize=50

外交部が「日中共同声明」における日本政府の台湾に対する立場を評価

<発信日時:2008/5/8
日本の福田康夫首相が5月7日に東京で中国の胡錦濤・国家主席と発表した「日中共同声明」の中で、日本は台湾に対する一貫した立場を堅持することを表明した。これに対し、台湾の外交部は同日、日本が台湾に対する一貫した立場を中国に譲歩しなかったことを評価した。
福田首相と胡主席は、5月7日に日中首脳会談を行った後、「『戦略的互恵関係』の包括的推進に関する日中共同声明」に署名した。日本はこのなかで、「台湾問題に関し、日本側は、日中共同声明において表明した立場を引き続き堅持する旨改めて表明した」とし、1972年の「日中共同声明」の中で表明された「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である」という中華人民共和国政府の立場を(「承認する」ではなく)「理解し、尊重する」という従来の日本の立場を堅持することを確認した。
これに関して、葉非比・外交部報道官は同日、「同声明の中で、台湾に対する立場は、何ら変更がなかった。日本が中国からの圧力の下、台湾に対する一貫した立場を堅持し、いかなる譲歩もしなかったこと対し、外交部は評価する」と述べた。

同声明に調印した大平正芳外相は北京からの帰国直後、「理解し、尊重するとし、承認する立場はとらなかった。両国が永久に一致できない立場を表明した」と説明している。また同外相は同じ頃、「台湾がどこのものであるかなど、舌が切れてもいえない」と語ったが、これは政府の公式見解ともなって今日に至っている。>

何よりも当の産経新聞が下記のような社説、記事を出している。
地球儀の)台湾に関する問題の表記は、日本政府の見解とも異なる。日本政府は1972年の日中共同声明第2項で、台湾を自国の領土とする中華人民共和国の主張を『十分理解し、尊重する』としたが、認めたわけではない。……地図では、以前にも問題表記が少なくなかった。これを機会に、ほかにも同様な問題がないかどうか点検すべきである。日本人の主権意識の回復にもつながるはずだ
2008/01/11/産経新聞社説

これは下記の記事についての社説です。

以下引用
<「学研の地球儀から台湾が消えた? 中国が圧力「島」に変更」
学習教材大手「学研」(東京都大田区)グループが国内向けに販売する音声ガイド付きの地球儀が、中国政府から圧力を受けて、台湾を単なる「台湾島」と表記していることが9日、わかった。同社は「中国の工場で生産しているため、中国政府の指示に従わざるを得なかった」と釈明しているが、識者からは「国益を損ないかねない」と憂慮の声が上がっている。
この地球儀は、学研の関連会社「学研トイズ」(東京)が昨秋発売した「スマートグローブ」。各国の地理や文化などの情報を音声で案内するシステムが組み込まれ、情報はネットで更新される。希望小売価格は2万8000円で、初回製造の1万個は完売という。
問題の表記は台湾(中華民国)について、「台湾島」と記載。また、日本の北方では、樺太の南半分や北方領土以北の千島列島をロシア領として色分けしている。これらはサンフランシスコ講和条約(1951年)で日本が領有権を放棄した後、帰属先が未定となっているため、日本の地理の教科書では、日露のいずれにも属さない白表記になっている。
台湾島という呼び名や千島などのロシア領表示は、いずれも中国発行の地図で一般的に使われる表記。
学研トイズは「当初は日本の学校教科書同様の表記をするつもりだったが、工場が中国にあり、中国政府から表記を変更しないと日本への輸出を認めないと迫られた。すでに注文が殺到していたので、仕方なく中国政府の指示に従った」と説明している。
同社は応急措置としてメモを添付。「生産国の中華人民共和国政府の指示により、地球儀表面の『台湾』の表記が『台湾島』音声が『中華人民共和国』となっております」などと記している。
東アジア情勢に詳しい伊原吉之助・帝塚山大名誉教授は「世界地図の表記はその国の利益に直結しており、他国の主張にやすやすと屈服し、自国で販売するというのは主権侵害への加担で、一企業の商行為でも不誠実のそしりは免れない。それが学習教材大手というからなおさらだ」と指摘している。
引用終わり。
平成二十年一月十日産経新聞第一面>

同様に台湾と支那との国境線について

<論説委員・石川水穂 「台湾=中国領」表記は誤り
2011.7.23 03:32 [土・日曜日に書く]
◆李登輝友の会が質問書
今年3月に文部科学省の検定をパスした中学社会科の地図帳で、台湾が中国領のように表記されているのは問題だとして、「日本李登輝友の会」(小田村四郎会長)が文科省に検定合格させたことへの質問書を送る一方、発行元の帝国書院と東京書籍に検定後の正誤訂正を求めている。
両社の地図帳では、台湾と与那国島の間、台湾とフィリピンの間のバシー海峡にはそれぞれ国境線が引かれているものの、台湾と中国大陸の間には線などによる表記がない。別のページでは、両社とも、中国の総面積を台湾の面積(3・6万平方キロメートル)と合わせた「960万平方キロメートル」と表記している。
これでは、台湾が中国領であると生徒に受け取られかねない。
39年前の昭和47年9月、日本が中国と国交を回復した日中共同声明が調印された際、台湾の法的地位が最大の問題になった。
中国側は台湾が中国の領土と不可分の一部であると主張した。これに対し、当時の大平正芳外相ら日本側はサンフランシスコ講和条約(昭和26年調印)で日本は「台湾と澎湖諸島に対するすべての権利、権原及び請求権」を放棄したものの、帰属先は決まっていないとして、中国に抵抗した。
日本には、日米安全保障条約があり、その第6条で台湾を含む極東の平和と安全に言及されていることも関連していた。台湾が中国領となれば、この極東条項との整合性がとれなくなるからだ。
◆共同声明では両論併記
このため、日中共同声明第3項は、次のような両論併記の表現になった。
「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第8項に基づく立場を堅持する」
ポツダム宣言(1945年)の第8項は、日本に満州や台湾などの返還を含むカイロ宣言(1943年)の履行を求めた規定だ。これが加えられたからといって、日本が中国の主張を丸のみしたわけではない。
大平外相は帰国後の自民党両院議員総会で、こう報告している。
「中国側は中国の領土の不可分の一部と主張し、日本側はそれに対して『理解し尊重する』とし、承認する立場をとらなかった。つまり、従来の自民党政府の立場をそのまま書き込んだわけで、日中両国が永久に一致できない立場をここに表した」
日本が台湾を中国領と認めたことは、これまで一度たりともないのである。
◆外務省側の表記も問題
にもかかわらず、文科省が帝国書院と東京書籍の地図帳に検定意見を付けなかったのはなぜか。
同省教科書課は「国名や地名の表記は原則として、外務省公表資料など信頼性の高い資料に基づいて検定した」「明確な誤記ではない」と説明している。
平成19年までは、外務省の編集協力による「世界の国 一覧表」という冊子に依拠していたという。それには、台湾について日中共同声明第3項が書かれているが、中国の面積は台湾と合わせた「959・7万平方キロメートル」と表記されている。現在の外務省ホームページでも、中国の面積は同じ数字だ。中国の主張を承認せず、「理解し、尊重する」とした共同声明の趣旨に反するように思われる。
東京書籍の地図帳は「アジア各国の独立」の欄で、台湾について「1945 中国へ返還」とも表記している。これも誤解を招きやすい表現だ。
確かに、日本はカイロ宣言の履行を求めたポツダム宣言を受諾している。しかし、李登輝友の会は日本が法的に台湾を正式に放棄したのは、あくまで講和条約が調印された時点だと指摘する。
同じことは、ウルップ島以北の千島列島と南樺太(サハリン)についても言える。日本は邦人保護などの必要性からユジノサハリンスク(旧豊原)に日本総領事館を置いているが、ロシアの領有権が公式に認められているわけではない。日本はこれらの地域を講和条約で放棄しただけで、旧ソ連は講和条約に調印せず、法的な帰属先は決まっていない。
今春の検定に合格し、来春から全国の中学校で使われる社会科教科書は、竹島などの明記を求めた新学習指導要領解説書に基づいているとされる。「固有の領土」と書かれていないなど、不十分な記述も少なくない。
授業で教師は、北方領土や竹島が日本固有の領土であることを教えるのはもちろんのこと、台湾や南樺太などについても、その歴史的経緯を正確に伝え、教科書や地図帳の不備を補ってほしい。(いしかわ みずほ)>

産経新聞は台湾と支那との国境線についてこのように厳しく指摘していたのである。このダブルスタンダードはどういうことなのであろうか。

商売だからいいんだとでも言うつもりであろうか。

あほらし。

池袋の東京ハンズにて水漏れ修理に必要と思われる材料を購入。
今日は酒は飲まず。
猿でも海老でもない