このページは旧ホームページです。新しい「酒たまねぎやホームページ」へ

醴泉・蘭奢待

  玉泉堂酒造 代表者山田 敦  杜氏 後藤高明 岐阜
  岐阜県養老郡養老町高田126


この蔵元さんは、養老町の役場の真ん前に5階建ての不必要なくらいのでっかいビルが建っています。
 
醴泉は昭和20年代まで使用してきた高級清酒の銘柄で、その後、いったん終売しましたが、昭和61年に全国新酒鑑評会において、金賞を受賞したことを機に再び使用するようになった商標です。わたしが、最初醴泉を始めて飲ませていただいたのは、昭和六十三年に日本橋高島屋で味百選とかの物産展の時に、酒コーナーにハッピを着た太ったのが酒をプラスチックのグラスで客に酒を試飲させていました。その時に飲んだのが四合瓶で『醴泉吟醸』と表示の酒でした。旨かったので、この酒わけて下さいと言うと、そのデブは「これは今年の金賞酒であと四本しかありませんので、申し訳ございませんが販売はできません」と言われて、むっときて、そのあと長谷川さんが知り合って間も無い頃に「醴泉の専務だよ」と、平成二年に店に連れてきたのが、その時のデブでした。これが現社長山田さんとの出会いですが、(当時は専務の肩書き、そのあと常務の肩書き、そしていきなり社長)現社長の山田さんは、ファンキーな見た目と違い、こと酒造りに対しては真摯な姿勢を持っています。以前は1万石ほど造っていた石高を4千石ほどに減らし、そのなかでも醴泉は4百石ほどしかつくっていません。全国新酒鑑評会にて何年も連続金賞を受賞するなど、元々技術力があった蔵元さんですが、従業員数も3分の1以下に減らして会社としての体質改善をはかり、醴泉の為の吟醸蔵を増築したり二百坪と二百五十坪の大型冷蔵庫を造るなど現社長の山田敦さんになってから酒蔵として大きく変貌しました。
 自家精米100%で、その中でも「醴泉蘭奢待」「醴泉正宗」は750キロタンクで仕込み、その他の醴泉シリーズも最大でも1500キロタンク仕込みと小仕込みです。手造りで残さなければならない部分はそのままで、その他機械化できる部分は積極的に最新式の機械を取り入れて省力化、効率化をはかっています。磯自慢の寺岡さんや、松の司の松瀬さんのように造りの時は、蔵人の先頭にたって酒造りをやる経営者もいれば、義侠の山田社長そし醴泉の山田社長のように酒造好適米の入手、設備、経営などをやり、酒の方向性とか設計図を示した後の最終的な造りは蔵人にまかせているタイプの経営者もいますが、どちらも良い酒を、旨い酒を造りたいと願っている蔵元の酒に対する真剣さが感じられるのは同じです。

<酒の紹介>

 蘭奢待 は鑑評会用出品酒のタンクを『蘭奢待』として出荷。昭和63年醴泉吟醸生原酒として出されたのが最初(手書きのコピーのラベルでした今見たら結構笑えます)。この時に中野のマチダヤさんで分けていただき好きになり、その後平成二年に長谷川さんのところへうかがったときに、まだその時の酒が、残っていて『この酒を全部分けて下さい。でも現金の持ち合わせが無いので、来週の日曜日にきますので、全部とって置いて下さい。』て言ったら、こーちゃんは『大丈夫ですよ、どーせ売れませんから。』でも一週間後にいったら『一本売れましたよ。びっくりだよね。』だって。平成二年より蘭奢待として出荷。その後、当店の要望により少量火入れの製品も出していただいています。アルプス酵母使用、山田錦を35%まで磨いて仕込む華やかさのある、安定した旨さのきれいな酒です。またこの酒は生ひねは非常にしにくい酒ですので、どこかで一年ぐらいで、生ヒネしたこの酒を飲む事があれば、そこの酒屋さんか、飲み屋さんはよっぽどひどい酒の管理をしていると思ってください。

(蘭奢待は平成14年(13BY)より9号酵母に使用酵母を変更いたしております。)

蘭奢待』とは、奈良の東大寺にある正倉院に国宝の"青木"の名前で"天下第一の銘香”といわれ、過去に足利義政・織田信長・明治天皇が切り取りました。蘭奢待の文字の中に「東大寺」の3文字が隠されてます。


醴泉純米大吟醸 山田社長によると同社の今後の主流となっていくであろう酒。以前は酒米としてヒダホマレを使用して9号酵母にて仕込んでいた酒ですが、現在は最高の酒造好適米である兵庫東条の山田錦を使用して9号酵母で仕込み、火入れは一年寝かせて、落ち着きと旨味をだしてから出荷するようになりました。今年の生もいいのですが、その一年寝かせた火入れもぜひ味わってみて下さい。落ち着いた飲み飽きしない美味しさです。価格も五千円とお買得です

醴泉正宗
 醴泉は蘭奢待が今までの最高酒でしたが、昨年12月に純米大吟醸35%の中取りを醴泉正宗として最高酒を発売する事はまえに書きましたが、社長の山田さんによると醴泉は元々醴泉正宗というブランドだったそうで、その古いラベルが発見されたそうですので、クラシックなラベルを復活させて使うそうですので、洒落た名称やラベルが全盛の今では逆に新鮮な感じを受けます。とにかく安定した造りの綺麗な酒の蔵元さんですので、楽しみです。12BYが初めての造りとなる今回の酒は、仕込みの全量を特A山田錦を使い精米歩合35%まで磨き9号酵母にて仕込んだ酒です。この酒は750キロタンク二本仕込まれましたが、全量あわせて1升瓶でわずか1200本しか製品化されませんでした。普通は原料(玄米ではありません。この場合精米歩合35%ですので、仕込み米を1キロ確保するためには玄米だと約3キロ近くが必要になります。)1キロより酒1升といわれていますから、普通だと750キロ仕込みのタンクで約750本前後の酒を造る事ができますので、仕込みタンク二本で1500本の酒を造る事ができるはずですが、わずか1200本しか造っていないこの酒がいかに粕歩合が大きく贅沢な造りであるかわかります。そしてそういったところに、現社長である山田敦氏のこの酒に対する熱き思いが感じられます。
 その内、荒ばしりと押しの部分500本を醴泉純米大吟醸として出荷、中取りを醴泉正宗として700本秋に出されます。1本1万円の高級酒ですが、旨さはたっぷりと期待できます。秋にはいっぱい買っちゃおうと思っています。

醴泉純米大吟醸 生35%

 春に出荷された醴泉純米大吟醸の生12BYは例年の純米大吟醸とは違い、1升瓶で五千円の酒には『醴泉正宗』の中取り以外の荒ばしりと押しのみが使用されています。醴泉正宗の片鱗はこの酒でみる事ができます。山田錦を35%まで磨き9号酵母を使った吟醸香の落ち着いたこの酒は、華やかな吟醸酒と違った面をみせてくれます。酒のうま味を充分に味わせてくれる酒です。東京には三軒の酒屋さんに42本入ったそうです。何処かで見つけたら買ってみて下さい。お買得と思います。

12BYより入社27年めの後藤高明氏が杜氏に就任しました。

醴泉の利き酒2003

醴泉の利き酒2004

醴泉の利き酒2005

醴泉の利き酒2006

醴泉酒の会2009年



           

酒たまねぎやホームページ表紙にもどる