リーデルグラスについての一考察


 有名なグラスメーカーであるリーデル社では、ワインだけでなくいろいろな飲み物用のグラスを出しています。大吟醸グラスというものも出しています。大吟醸を飲むのには、この大吟醸グラスが最高と思っていらっしゃる方も多いかもしれません。なにしろ、「のべ200人以上の日本酒利き酒のプロが100種類以上のグラスから選び抜き改良した、大吟醸のためのリーデルグラス」(リーデル社のカタログより)だそうです。すごいものです。
このリーデル社のグラスについていろいろ見ていきたいと思います。

 まず、この大吟醸グラスはvium(ヴィノム)というシリーズの中のひとつです。このヴィノムシリーズはハンドメイドのソムリエシリーズのデザインを踏襲したマシンメイドのグラスということです。
 リーデル社のこだわりとは「白・赤という区別だけでなく、使われているブドウの品種に応じた多彩なデザインを揃えています」(同社のカタログより)
 形状比較をシャルドネでみると、二種類の形状があるようです。大吟醸グラスはシャブリなどの形状になるようです。

形状・容量比較シャルドネ(モンラッシェ)

ソムリエ
シャルドネ
82×102×200
500cc
ヴィノム
シャルドネ
85×108×188
600cc
エクストリーム
シャルドネ
86×114×227
670cc
オー
シャルドネ
84.5×107.5×94
580cc
ワイン
シャルドネ
87×108×201
600cc

形状・容量比較シャルドネ(シャブリ)

ソムリエ
マチュアボルドー/シャブリ
62×79×216
350cc
ヴィノム
シャルドネシャブリ
64×78×198
350cc
オー
ヴィオニエ/シャルドネ
64×79×98
320cc
ワイン
ヴィオニエ/シャルドネ
63×79×210
370cc

大吟醸グラスと類似形状・容量による比較

ヴィノム
大吟醸グラス
61×78×205
380cc
オー
酒テイスター
58×78×106
375cc
ソムリエ
マチュアボルドー/シャブリ
62×79×216
350cc
ソムリエ
キャンティクラシコ/リースリング・クリュ
59×77×226
380cc
ヴィノム
カルテラーゼ・アウスレーゼ
59×79×205
380cc

オー
リースリング/ソーヴィニヨン
60×79×108
375cc
ヴィノム
シャブリ(シャルドネ)
64×78×198
350cc
ヴィノム
キャンティクラシコ/リースリング・クリュ
58×79×210
370cc
ワイン
ヴィオニエ/シャルドネ
63×79×210
370cc
ワイン
サンジョベーゼ/リースリング
60×79×221
380cc

 大吟醸グラスと同じ形状で、容量と口径も近いものを比較してみますと、容量は350ccから380cc。口径58〜64mm。最大幅77〜79mmの範囲に収まっているようです。
私にはこの大きさの違いの必要性がよくわかりません。それはブドウの品種によるというのであれば、同じ品種のブドウ用のグラスでもシリーズによって口径、最大幅、容量などが違うようですから余計に理解に苦しみます。たとえば、ソムリエシリーズのデザインを踏襲したマシンメイド版としているヴィノムシリーズの同じシャルドネ(モンラッシェ)用でさへ、82×102mm、500ccと85×108mm 600ccと違います。容量が違うから口径も違うと言うのであれば、600ccと同じ容量で108mmと同じ最大幅のヴィノムシリーズとワインシリーズの口径が85mmと87mmと違っています。

 もっと、驚くのはソムリエシリーズのボルドーグラスは82×108mm、860cc、同じくブルゴーニュグラスは95×117mm、1050ccに対してヴィノムシリーズのボルドーグラスは72×95、610cc、ブルゴーニュグラスは71×107、700ccとなっています。つまり、ボルドーとブルゴーニュのグラスはソムリエシリーズの方が大きく、モンラッシェ( シャルドネ)グラスはヴィノムシリーズの方が大きいのです。

ソムリエ
ボルドー
82×108mm
860cc
ソムリエ
ブルゴーニュ
95×117mm
1050cc
ソムリエ
シャルドネ(モンラッシェ)
82×102mm
500cc

ヴィノム
ボルドー
72×95
610cc
ヴィノム
ブルゴーニュ
71×107
700cc
ヴィノム
シャルドネ(モンラッシェ)
85×108mm 
600cc

つまり
ボルドーグラス   ソムリエシリーズ>ヴィノムシリーズ
ブルゴーニュグラス ソムリエシリーズ>ヴィノムシリーズ
 当然、
モンラッシェグラス ソムリエシリーズ>ヴィノムシリーズとなるはずが、
          ソムリエシリーズ<ヴィノムシリーズとなっているのです。
 どうして、ボルドーグラスとブルゴーニュグラスがそれぞれ250ccと350ccも小さいヴィノムシリーズのシャルドネだけが、ソムリエシリーズのシャルドネグラスより100ccも大きいのでしょう。てっ、いうか、ボルドー、ブルゴーニュグラスが一番バカでかいソムリエシリーズ(リーデル社で最高級シリーズ)が、どういうわけか、他のシャルドネ(モンラッシェ)グラスと比べて500ccと一番小さい。この統一性のなさはどうしてでしょう。

 たかが、それぐらいというなかれ。リーデル社がこだわっている(はずの)「グラスの形と機能の調和」としての絶対的なものがあるからこそ、ブドウの品種による数ミリどころか1ミリしか違わなかったりする多くの種類のグラスを出しているのでしょう。それが、シリーズが違えばその都度変わるのでしょうか。それとも、リーデル社としてのそういった絶対的な法則といったものはないのでしょうか。

 ぶっちゃけた話として、同じブドウ品種ではリーデル社としては理想的な最高のグラスというのはどのシリーズのグラスだといっているのでしょうか。

 いえ、いえ、決して能書きは多くのグラスを出して種類を買わせるためのものとは思っていませんが(・・・・・・まあ・・・)。飲み屋の親父の素朴な疑問なのです。数ミリ単位でそれぞれのブドウ品種に合うとして数多くのグラスを出しているのですから、たとえば、モンラッシェだったらそれにあう社としての理想のグラスとして絶対的なものがあるのであれば、素材、製法が違っても、それぞれのブドウの品種にあった同じスタイル、大きさのグラスを作るはずと思うのは変でしょうか。
  そういった事を踏まえて、こだわりの元で、理想的?な大吟醸グラスもあの大きさになったのでしょうとおもっていました。そのために、その道のプロといわれている人たちを多く集めて利き酒をして選んだ大きさと形状でしょう。
形状、容量、口径、最大幅も近い代用品?みたいなものがいっぱいあるのですから、わざわざ大吟醸グラスなどとして出さないでしょう。
でも、話がもどるのですが、そこまでこだわっているのに、なぜ、シリーズによってのそれぞれの統一性がないのでしょう・・・・う〜む、奥が深い・・・・

 あと私程度の頭では大吟醸を飲むのにどうしてそんなに大きなグラスで、香りを高めなければいけないのかさへ理解不能です。どうやらほのかな香りを楽しむということでは無いようです。このようなグラスで飲む大吟醸の味についてもどうなのでしょう。
 まあ、所詮、嗜好品ですので、当店に御来店のお客さまでこのようなでかいグラスで大吟醸をどうしても楽しみたいという方はおっしゃっていただけますと、大吟醸グラス・・・に近いグラスでお楽しみいただけますので、店主までお願いいたします。大吟醸をグルングルンぶんまわしてお楽しみください。

 そういえば、ワインのグラスは体温が伝わりづらいようにということで、グラスの足を持つとか言っていた人たちは「オー」のシリーズはどう思っているのでしょう。 

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