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産経抄にみる「素材にこだわる名店」とは

平成19年11月16日金曜日晴れ △
 本日の産経新聞の第一面に掲載されている「産経抄」と題するコラムはこの新聞の顔の一つと思います。
 その「産経抄」に素材にこだわる名店として下記のような事が書かれていました。
以下引用
 
20年ほどまえから、たまに顔を出す居酒屋がある。今でこそ素材にこだわる名店として、雑誌やテレビで紹介されるようになったが、開店してしばらくは、閑古鳥が鳴いていた。ある日のこと、魚市場で見事な太刀魚を仕入れたのに、やっぱり誰も来ない。
 翌日訪れた常連客が、ゴミ箱に突っ込んである銀色に輝く魚を見つけた。焼いたらおいしそうだ。「食べたい」「刺し身で食べさせるつもりだったのだからいやだ」。頑固な主人とのすったもんだは、今も常連客の間で語られる物語のひとつだ。

引用終わり

 私のいなかの淡路島でも太刀魚はよく釣れていたので、極々普通の魚でした。このコラムを書いた産経新聞の方は、「刺身で食べさせるつもりで仕入れた」魚を客が来なかったから捨てた。それが頑固なこだわりだと誉めています。
 この産経新聞の人間は救いようのないアホとしか言い様がありません。普通は、仕入れたものがなんであれ、その仕入れたものを無駄にしないようにそれなりに工夫するものです。時間の経過により、刺身で食べられないものは、焼いたり、煮たり、揚げたりといろいろな調理をして、無駄なく使うのが普通だろうと思います。ましてや太刀魚は刺身だけでなく、塩焼きでも、揚げても美味しく食べられます。もちろん、刺身で食べられるものだから焼いてはもったいないということもありません。刺身で食べられるような新鮮な素材を焼いても、調理法法の違いだけであり、美味しく食べられる事が大切なはずです。それを客に出さずに捨てるとはアホな店主ですし、それを「素材にこだわる名店」と誉めるのはもっとアホです。

 まあ、仕入れた翌日に客の目につくように「わざわざ」ゴミ箱に太刀魚を突っ込んであったという不自然さを不自然と思わずに、そのアホな店主のポーズに乗っかってしまったアホな人間というだけかもしれません。

 ただ、この書いてある事が事実だったらという前提ですが。というのは、この書いてある内容があまりにも不自然です。
 客がどうしてゴミ箱に捨ててある太刀魚を見つける事ができたのでしょう。
どなたか、居酒屋に飲みにいって、厨房(あるいはカウンターの中にある)のゴミ箱の中を御覧になった方はいらっしゃいますでしょうか。普通は何処の飲み屋でも、厨房のゴミ箱はお客様の目につかない位置に置きます。カウンターだけの店で、対面形式の所も同じです。そして、ゴミ箱には臭いがしないように、虫などがたからないようになどという理由で、普通は蓋がついています。確かに、大きな店、忙しい店などは一杯になったゴミを営業終了後、毎日ある一定の場所に移しますので、蓋は開けっ放しで営業しますし、ヒマな店でも仕込み中などは蓋を開けっ放しというのもあるかもしれませんが、毎日ゴミ箱のゴミがいっぱいにならない店は、すぐに生ゴミの臭いがしますので、普通は営業中蓋は閉めておきます。そのようなゴミ箱に「わざわざ」客の目につくように太刀魚が突っ込んであったてのはいかにも不自然過ぎます。もしそうであれば、その店主の意図的なものを感じます。わざとでなければ、その店は太刀魚がはみだす程小さなゴミ箱を使っていたという事でしょうか。

 何にしても、先に書きましたように、単なる素材を無駄にするような店主の客に対してのわざとらしいアホな行動でしかないのに「素材にこだわる名店」と書く人間のアホウさに驚きました。こんな程度の人間が、この新聞社の顔だとは呆れ返ります。

だれだ、このアホウは

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