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ちょっと先日の続き
11月6日火曜日 曇り 
S △
  先日も書いたTBSブリタニカがだしているpen(No72号)という雑誌によると

 「飲み手側の意識も大きく変化している。食が多様化し、グラタンと冷奴が同時に食卓に並ぶのも珍しくなくなった。ワインブームがきっかけで、食と酒の相性も楽しむようになった。またワインは酸やタンニンが味の決め手になるが、その味に慣れた飲み手は、日本酒で従来は欠点とされた豊富な酸や渋みつわり香といわれるヨーグルトのような風味も、個性と感じるようになっている。」

「ワインの世界では、評価するのは飲む側の立場である。ところが日本酒では、造る立場の人が決めている。鑑評会の金賞制度は酒の質や技術力アップには貢献したが、日本酒を画一化して、個性をなくしてしまった弊害もあるだろう。だが、今は飲み手が個性を楽しんで、好みで酒を選択している。」


 「生酒は熟成させると独特の臭いがでるのことがあり、これを生ひねとして専門家は忌み嫌ってきた。燗にすると、さらにこの臭いは強まる。だが野武士を思わせる野性味のある風味は圧倒的な存在感を持つ。『美味ければなんでもあり』飲み手がこう変わったときに作り手も自由に個性を発揮できるようになった。」

とありましたが、

 どのようなタイプのワインにおいても当然不味いワイン、できの悪いワインもあるのです。日本酒も同じです。どのようなタイプの酒においても旨い酒と不味い酒があるのです。こんな記事の書き方では、異臭がついて劣化していようがすべての酒が旨いと飲まなければいけなくなります。
 文中で「日本酒の販売をはじめた16年前から8年前まで美味と思ったものはなくプライベートではワインばかりのんでいた」といっている横浜の酒店さんの言葉が書いてありますが、もしこれが本当にその酒屋さんが言った事を正確に書いたのであれば、10年前に愛知県の義侠さんにいった時に、他の酒屋さん達といっしょにその義侠の酒を飲んでいて「義侠は旨い」としゃべっていた事はうそになるし、義侠と出会って変わったと、この記事の中に書いてある事も大うそになります。その時に、確か他の蔵元さんにも行きましたよね。その時におつき合いしていた蔵元さんの酒は美味しく無いと思いながら、商売としておつき合いされていたのでしょうか。


 飲み手が変わったから造り手が変わっただけではなく、造り手の努力によっても飲み手も変わってきたのです。記事にあるように今の時代が最高に旨い酒を飲む事ができる時代であることは間違い無いと思います。しかし、その旨い酒の時代を何年からというのは無理があるでしょう。昭和61年の○○もうまかったでしょう。10年前の○○も旨かったでしょう。その他の蔵元さんについても同じでしょう。
 確かに逆の例では、今では異臭の一つとされる木の香りも、まだ木の樽にて酒を仕込んでいた時は、酒に木の香りがついているのが当たり前のようにいわれていたそうで、ホーローのタンクで仕込んだ酒には木の香りが無く、そのために、わざわざ杉板を放り込んで香りを付けたところもあるそうです。しかし、現在のようにステンレスやホーロータンクで仕込んでいる時代には木の香りのような異臭がつかない方がいいわけです。木の香りを付けた酒もありますが、それはわざわざ付けて樽酒のような風味として瓶につめているわけです。(もちろん樽に詰めている酒もあります)
 わたしも、軽い樽の香りはすきです。

 この記事にあるような、渋み、つわり香、生ヒネをわざわざつけようと造っている蔵元さんはあるのですか。
 いろいろ考え、意見があるとおもいますが、日本全国どのような蔵元さんにおいても、この記事にあるような
渋み、つわり香、生ヒネを出そうとわざわざ意識し努力して造っている蔵元さんは絶対にないでしょう。つかないように、冷蔵倉庫その他に設備投資をしたり一生懸命努力されているわけでしょう。たまたまできてしまった失敗作をドアホウどもにうまくいって売っているだけで、それを騙されて喜んで飲んでいるバカ連中がいるだけです。この記事を書いているライターさんはわかって書いているのでしたら何か意図を感じますし、わかって書いて無ければ単なるオオバカ野郎(メロウかな?)です。

ライターさんはワインを例にとって話をすすめていますが、

ワインでもブッショネ(コルク臭)のついたワインをわざわざ業者さんが造りますか? ワインを高温劣化させますか?
そんなもん、失敗しただけでんがな! (マディラを例にとらないで。普通のワインの事!)
普通ははずかしいと感じまっせ。 日本酒を造っている蔵元さんでも普通は同じと思いますけど・・・・ 中には恥ずかしゅう無い蔵元さんもあるかもしれません。 世の中広いですから。

ヨッ、商売人!!

しかし、近年にないどうしょうもないくらいバカが書いたとしか言い様のないくだらない、そして酷い記事という事は間違い無いでしょう。

常温、低温にかかわらずに寝かせる事によりヒネ香がでている酒(生ヒネではありません)でもバランスの良いうまい酒もあります。しかし、すべての酒がよい酒とはかぎりません。さきほども書きましたようにどのようなタイプの酒にも、旨い酒とそうでない酒があります。渋みやつわり香、生ヒネを「美味ければなんでもあり」と言ってしまえば世の中に不味い酒は無くなります。
 そういう意味ではこの本の記事の中で「冷や究極の20本と燗絶品の20本」は
味噌も○○も一緒にしたすばらしい趣味と思考による選択の酒といえるでしょう。

感服いたしました。←ウソです。

まあ、人の好みですし、どこにでもゲテモノ好きはいますのでイイと思いますが、へんな酒と一緒に載っけられたうまい蔵元さんがかわいそう・・・・

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