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現体制の気狂い北朝鮮に米をやるとということはどういう事か


「難民の中であれ国内であれ、90年代末から反政府組織が生まれ育つ土壌となったのは秘密警察組織の深刻な動揺だった。とくに97年には、泣く子も黙る秘密警察=国家保衛部の威信が地に落ちた。「山送りになりたいか」という脅し文句が住民相手に通用しなくなった。収容所で死のうが、家で飢え死にしようが、住民にとっては同じことだからである。保衛部員は自信喪失に陥り、職務を捨てて中国へ逃亡する者も出た。同時に、密告制度も大きく揺らいだ。
経済破綻で密告の報奨金も出ないようでは、密告者は真面目に仕事に励まない。
それどころか、秘密警察を恐れなくなった住民は、密告屋を袋だたきにしたり、殴り殺したりするようになった。これに加えて、97年には国家保衛部の副部長級の幹部と社会安全部の責任者数名が「反政府陰謀事件」に関連して粛正される出来事が起きた。
秘密警察組織の動揺を目のあたりにして、「これなら十分に闘える」と反体制グループは喜色を満面に浮かべた。だが、反政府勢力が色めき立った好機は短期間で終わりを告げる。国連機関による無分別で無責任な食糧援助が秘密警察を生き返らせたからである。密告者は再び報奨金を手にし、秘密警察の要員は自信を取り戻した。」
                      SAPIO 14年12月11日号
李英和「ついに反体制組織と接触した!次の飢饉には都市部で総決起する」より

ある脱北者のコメント。
「97年頃には、国境地域の保衛員にも食料が回らず、脱北者の摘発も鈍りましたが、国際社会の支援が彼らに優先的に回り元気づきました。国際社会の善意は保衛部支援となり、金正日体制を支えるものとなってしまったのです」
                   週刊文春 (14年12月5日号)

今回北朝鮮にやったお湯をかけるだけで食えるようになる保存米は、軍隊や国境地域の保衛員に支給するのにもってこいのものだ。軍需品に即転用できるいや、軍需用と言ってもいいぐらいの今回の援助は、金正日気狂い体制を維持しようとする側にとってはとてつもなく有り難いものでしょう。

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