再掲 島内景二氏の大吟醸バガボンドというアホな本の感想文

11月26日木曜日雨△

まだ、島内景二氏の大吟醸バガボンドというアホな本がアマゾンで一円で売られているのには笑いました。

http://www.amazon.co.jp/372/dp/4870997665

 

大吟醸バガボンド(島内景二著 えい出版)

でも、どっちかというと大吟醸バカボンド・・・・・
読みごたえ満点の本でした。ここまでアホ本はなかなかありません。
帯に読んだら必ず飲みたくなりますと書いてありますが、酒を飲んでいる時には読まない方がいいと思います。あまりにもウソ満載で馬鹿らしい記述に、飲んでいる酒を吹き出しちまいます。

島内景二という東京大学卒で文学博士で現在は電気通信大学の助教授である著者が好きであるという大吟醸について書いているのですが、一番ひどいのは写真とともに紹介されている美丈夫についての記述でしょう。

「美女夫」=「びじょうふ」とわざわざふりがなをふって書いていましたので、美丈と美女という単なる誤植だろうと思ったのですが、全然違うらしいのです。この御仁の書いている内容というと

<「美女夫」は「美丈夫」と「美女」とのカケコトバだろう。美しい女と、美しい男。もしかしたら、熊本の「美少年」のパロディなのかもれない。まっこと、この「美少年」は永遠のブランドですな。「美少女」ではロマンに欠ける。と宣う・・・>

コラ!!
美女との掛け言葉・・・・・・・・
美少年のパロディ・・・・・・・・
あまりにもバカ過ぎて、あきれてあいた口がふさがりません。
蔵元紹介のところでも書かせていただきましたが、『美丈夫』の酒名は、幕末の土佐の英雄である坂本竜馬をイメージし、『華のように薫がごとく雅に舞う麗人』をキャッチフレーズにしています。
ちなみに、蔵元の濱ちゃんに電話してこの事をいったら「いくらオレが女好きといっても、そんなアホな名前つけるか!」とメチャ怒っていました。(まあ、濱ちゃんのこのコメントはこのコメントでメチャ笑えますが・・・)
また島内景二氏によると、当店の主力銘柄のひとつである義侠についての記述では
<「男気」の感じられる大吟醸の筆頭としては、愛知県「義侠」がある。だがまだ出会えない。できれば大吟醸古酒の「義侠・妙」ではなく新酒大吟醸の「義侠・慶」を飲みたいのだが、そのうちきっと飲めるだろう。待っていれば、必ず大吟醸は大吟醸を最も愛する人のもとに慕い寄って来てくれる!>(P135)←新酒大吟醸の「義侠・慶」・・・誰に聞いたんや、こんなウソ!義侠の慶は40%精米の古酒ですがな。酒の事を書くのであれば、蔵元さんにでも電話を一本かければ確認できる事なのに、それさえ怠るようなあなたのような人のところへは酒は慕っては来ません。酒に対しての真摯でないあなたの態度はきっと、蔵元さんも嫌と言うでしょう。蔵元さんの自分のところの銘柄にたいするこだわり、愛着、愛情をすこしでも理解していればこんないいかげんな独りよがりのマスターベーションだらけの記述の恥ずかしい本は出さないでしょう。
先に書いたように、蔵元にでも電話で確認しろよな。今だったらネットでも調べられるだろうに、そういった手間も惜しむようだったら、本など書くな!!!!!!!!
この本を読みながら、間違いなどの箇所を赤のボールペンで線を引いていったら、あまりに多過ぎて途中でやめちまいました。
そのうちのほんの一部分を紹介いたします。
<今では、瓶の裏に貼ってある大吟醸の成分をみただけで、味がだいたいわかるようになった。>(P23)←そんな事できるはずがあるか!できたら苦労せんわい。とある蔵元さんは怒っていました。数値はあくまで目安であり、味そのものを表す事は不可能。
<大吟醸に限って言えば、全国どの銘柄もほぼ横一線であり、優劣の差は紙一重である。>(P30)←おいおい、蔵元の製造技術の最高峰である大吟醸のほうが、蔵元による味の差がでるだろうに・・・
大吟醸の主な酒米のところでは
<漫画「夏子の酒」で有名になった「亀の尾」は、味にこれといった特徴のないのが特徴である。だから山田錦に飽きた時には有効である。~略~長野県などで使われている「美山錦」は厳しいですゾ。~略~「亀の尾」は生産量が少なくて貴重だから、「五十%以上を削りすてる」大吟醸はもったいないので、「吟醸酒」であることが多い。それでも結構楽しめる。>(P31~32)←特徴が無いのが特徴???。山田錦に飽きたら有効???。わからん、私には理解不可能。亀の尾は生産量が少ない事が貴重というわけではない。酒造好適米としての特性が山田錦などに劣ると考えられているために生産量が増えないのと、生産がいまの農業の生産方法にむいていないために淘汰されたため生産量が少ないのです。(でも最近はまぼろしの米とかいうブームの中で、随分増えて来ました)また、亀の尾を使用している蔵元さんは、結構大吟醸も造っています。

<初心者には、(純米吟醸ではなく普通の)吟醸の香露をお勧めする。安いし、ヒネようがないので、失望がないからだ。>(P33)←吟醸の香露がどうしてヒネようがないのでしょうか。意味不明。説明希望。
<「吟醸酒」では「味の劣化」をそれほど気にしなくてよいので、「二日目」のための四合瓶の吟醸酒を(封を切った状態で)冷蔵庫に入れておくのである。>(P88)←おなじくどうして、吟醸酒だと劣化に気をつかわなくてよいのでしょうか。意味不明。

<「リンゴ香」の「協会九号」に最も引かれる。これが、大吟醸の原点だからだ。蔵元が自分の蔵で自前の酵母を使いたい気持ちはわかるが、それで「飲み手にとって最高の大吟醸」ができるものなのかどうか、疑問を呈しておきたい。>(P34)←意味不明。九号にこだわっている蔵元が多いのは知っていますし、現実によいお酒がいっぱい造られていますが、この書き方は筆者の尊大さしか感じられないと、私から著者に疑問を呈しておきたい。

<平成14年の11月から翌年の6月までの期間に大吟醸を買うのだったら、私は文句なしに「13BY」と書かれた大吟醸を買う。平成15年夏以降は「14BY」が出始める。「BY」というのは「ブリューアル・イヤー」で製造年の事。>(P34)←全然いっとる意味が不明。BYは酒造年度とか醸造年度の略ですが、7月1日から翌年の6月30日までですから、平成13年7月1日より平成14年6月30日までに造られた酒が13BYの表示となりますが、大吟醸の場合は年末から春先まで仕込む事がほとんどでしょう。ですから13BYの大吟醸は平成14年の春先から出回りはじめるところが多いです。14BYの大吟醸も平成15年の春先から出回りますので、夏以降に14BYが出始めると断定しているのはいうのはどうしてでしょう。普通はその年の春先から大吟醸は出荷されます。(さきに書きましたように平成15年の春から14BYの大吟醸が出荷される。)ましてやこの御仁は別のページで火入れしていない生がすきだと書いています。生はどちらかというと火入れより早く出るでしょう。蔵元さんが秋に出荷するのは火入れを寝かせた酒が多いでしょう。もちろん生を寝かせた酒をあるでしょうが、数からすると火入れに比べて少量でしょう。また、この御仁のようにBYを製造年と表記すると、酒の場合は出荷年月日になる場合がおおいので、誤解を招きやすいと思います。たとえば、初亀の亀は蔵元から出荷される時には3年古酒として出荷されますが、製造年月日はその出荷年月日表示になり、酒造年度ではありません。さらに、現在は醸造年度の表示義務はありませんので、製造年月日のみの表示をしている蔵元さんが多いのです。このようなところにも、この筆者の程度の知・・以下略・・・・
当店のお客さまのケイザブロウさんからも御指摘いただきました。「「ブリューアル・イヤー」と表記してある醸造年度ですが、brewery
yearは表記の問題はあるにせよ普通は「ブリューワリー・イヤー」位が無難な線だと思うのです。ありそうでなさそうな「brewal year」を捏造したのでしょうか。いずれにしてもネットで検索すれば一発なので、仮にも文学者で、言葉には敏感なはずの人が随分いい加減なことを書くなぁ、というのが正直な感想です。」とのことです。
しみずさんの御指摘箇所は、下記にまとめて表示させていただきます。
p.19
×まあ、牧水がこの「白玉」の歌を詠んだ明治四十年代は、よくて現在の「本醸造クラス」の酒を飲んでいたのだろうから
○本醸造クラスって、あの、本醸造クラスのご先祖である醸造用アルコール添加酒の登場は昭和18年で、本醸造クラスの先代である「本造り黄桜」は昭和46年の登場ですがな。明治時代には精米歩合70%程度が限界ですから、よくて現在の「純米酒クラス」に届くかどうか、です。ほとんどが「米だけの酒クラス」です。

p.34
×昭和21年の全国新酒鑑評会(春)と全国清酒鑑評会(秋)で、一位から三位まで真澄が独占したという伝説は名高い
○秋は鑑評会ではなく品評会。 伝説ではなく史実、事実、あるいは記録。

p.34
×最近は、それぞれの蔵元が社運を賭けて酵母の開発戦争をしており、大手の醸造元には自前の酵母がある
○酵母の開発戦争をしているのは、各県の醸造試験場や工業技術センター。
蔵元で開発能力があるのは、伏見の月桂冠と灘の上位数社と大手アルコールメーカーの協和醗酵など極めて限定される

p.34
×蔵元が自分の蔵で自前の酵母を使いたい気持ちはわかるが
○前の文章と合わせて考えると、よく「蔵内保存酵母」「自社培養酵母」と紹介されている酵母を「自社開発した自前の酵母」だと誤認しています。これらの自社保存酵母は、木下さんもご存知の通り、熊本酵母(協会9号)の原種に近い酵母を蔵元が自社で植え継いで原型を保存してきたものが多いです。
あるいは磯自慢や開運のように静岡酵母 HD-1 の原種を保存してきたもの、出来のよかった年のモロミから分離して保存してきた変異種などもあるのですが、筆者はこのへんがすべて「社運を賭けた酵母の開発戦争」の産物だと誤認してます。

p.52
×今でも、四合瓶で五千円クラスの大吟醸(すなわち、最高の大吟醸)を飲みたいときには、三ツ矢酒店に足を運ぶ。そして、「黒龍の、火を入れてない大吟醸をください」と言えば
○黒龍の最高級を「火いら寿」だと思っておられるようで。
「石田屋」や磯自慢の中取り35% や菊姫の「吟」は何と表現するのでしょうか?
最高の上は何と言うのだろう‥‥ 「菊理媛」「秋津」はどうなる?

p.62
×「斗瓶取り」は、どんなに安くても四合瓶で四千五百円、高いものになると七千五百円くらいもする。
○國香の静岡県知事賞(県で首位)受賞酒の斗瓶取りは
3,600円ですし、逆に高いほうでは 10,000円を超えるものもありますが‥‥

p.67
×「金賞受賞酒」は、(中略)さらには、審査の基準で「香り」が重視される結果、化学的手段によって人工的な香りが添加されることが多い。
○最近ではアルプス酵母や協会15号(秋田酵母)の出現で、ヤコマンに頼らなくても芳香成分が多く出る酒を造ることが容易になったので、人工的に香りを添加することは減ってきた。香りを強く出したければ、アルプス酵母などのバイオ酵母で造った酒をブレンドすれば済む。
p.101 で志太泉について「能登の杜氏」と書かれていますが、あそこは長年にわたり南部杜氏です。
他にも、横山大観画伯の呑んだ酒は「一級酒」だろう‥‥という部分がありますが、酔心の山根本店は昭和18年に「第一級」の販売を最初に許可された37の醸造元に入ってます。この「第一級」が昭和24年から「特級」に名称変更されているので、大観画伯に届けられた酒は「特級酒」に間違いないでしょう。これを「一級酒」とすることは蔵元に失礼な記述(二流の蔵元扱い)ですね。
しみずさん、ケイザブロウさん御指摘ありがとうございました。
また増えちゃった・・・・・どーすんだろう、このダラ本。
<大吟醸は、米から造る。だから、最も相性が良い食べ物は「米」であるはずである。御飯は魚沼産コシヒカリが良いようだ。>(P86)←すげ~こじつけ。じゃあ、葡萄から造るワイン、ブランデーはぶどう、リンゴからつくるブランデーの一つであるカルヴァドスはリンゴ、麦から造るビールとウイスキーは麦、サトウキビから造る黒糖焼酎とラムはお砂糖が一番その酒にあうのですね。と一応お約束のツッコミを入れてみる・・・・ましてや魚沼産コシヒカリがどうして・・・・そこまで、いうのだったたら、そのお酒の地元産のお米が一番ぐらいのバカを書いてほしかった。とにかく意味不明
ヒネ
<ヒネは、大吟醸の恐るべき病である(略)「うっ、すっぺー」という嫌な味覚がする事がある。これが「ヒネ」である。(略)>(P45)
<添付パンフレットされているだったか、市販されている大吟醸カタログだったかで、「山鶴」は「ヒネ」の感覚を巧みに利用して醸された大吟醸であるという説明があった。そういえば、日本で最も良心的に造られていると言われている菊姫の最高の大吟醸にも、ヒネの感覚が残っている(P46)>←あまりにもバカバカしいのでノーコメント・・・・・・・・・というつもりだったけど、ちょっとだけ聞きたい。すっぱくなっていたらヒネというのか。バカ。病でもない。あと菊姫のどういう造りが、日本で一番良心的に造られているといわれているのでしょう。その造りの箇所の説明をしてほしいものです。説明もできないのであれば、こんな書き方をするんじゃあない。とネチネチといってみる・・・・

斗瓶取りについての記述もひどいものです
<「斗瓶取り」(斗瓶囲い)というのは、最高水準の大吟醸を布袋から自然に落下させて、その雫を一斗瓶に貯める。(機械で搾り取る手荒な事はしない)酒の事。>(P62)←しかし、この程度のクソ知識で酒の本をよく書く気になるわな。斗瓶取りはすべて袋吊りでなければならないと勘違いしている。袋吊りは酒の絞り方のひとつであって、袋吊りで絞った酒だけが斗瓶取りでは無い。槽で絞っても斗瓶に詰めると斗瓶取りです。これも、突っ込みネタか????
また、同じぺージでは
<昔は、一回の製造で、わずか「一斗=十升」しか造れなかった貴重品だったのだろうが、現在は大きなタンクでもっと大量に生産しているものと思われる。>(同じP62)←どうして、昔は一斗しか造れなかったの?。今の吟醸タンクがどうして大きいと決めているのでしょう。750キロ以下しかない容量の小さなタンクで仕込んでいる蔵元さんも多いです。昔は一斗しか・・・意味不明、いったいこんなウソだれに聞いたんヤ!
<わたしは、仕込んだ年の次の年度に出てくる「新酒」が好きである。大吟醸の命は、日本刀のような鋭い切れ味にある。「若さ」と「新鮮さ」が、日本文花の最高の美学であり、日本酒最高の水準だと思う。>(P112)←またまた、ここでも仕込んだ次の年度に出てくる「新酒」って訳のわからん事を・・・意味不明
また同じページで
<黒龍の「石田屋」についても「三年」というのは、微妙な期間である。厳密には、古酒でもないだろう。>←またアホな事を・・・厳密にいえば、酒は新酒が出た時点で前の酒は古酒になります。

龍力のところでは
<米が凄いので、わたしには口の中がネバル。そのネバリが尋常ではない。>←残念ながら私には意味不明。米がすごいので・・・ネバル-ってどういう事なのでしょう。それも尋常じゃあないネバリだそうです。・・・ボンド
出羽桜の雪漫々の説明でも
<大吟醸を5年熟成させたのが「雪漫々」>(P115)←普通は2年寝かせて雪漫々として出荷するはずだとおもいましたが・・・10年寝かせたのが「大古酒」だが・・・←出羽桜さんは別に10年でなくとも7年も出している。あと余談ですが「大古酒枯山水」という三年吟醸古酒も出しています。

とっておきの贅沢?
<とっておきの「贅沢」を教えよう。詩人のT氏からの受け売りである。「雪中梅」の普通酒を一升瓶で購入する。それを、汁物の「ダシ」に使うのだ。料理酒のようなものだが、ふんだんに用いるのが秘訣。そうすると、豪勢な鍋が出来上がる。それを飲みながら、「雪中梅」の純米酒以上を飲むと、「口福」というか「腹福」にみたされること、請け合いです。さすがにわたしもやったことはないが、大きな土鍋に雪中梅の一升瓶を全部注いで、火でアルコール分を燃やしてから、水炊きをつくったら、奇跡のような旨い料理になることだろう。「〆張鶴」でも、いいのだろうが、その時には、地鶏の鍋だろう。>(P118)←まあ、この御仁は雪中梅が好きらしいのですが、これってどこが贅沢なのでしょう。この箇所の追加事項といたしまして、けいざぶろうさんからは

「どうしようか迷ってたんですが、こうなったら奈落の底まで気持ちよく落ちていただきましょう。
「とっておきの贅沢」とかタイトルが付いている鍋ですがあれは普通の常夜鍋(ただし、本物は酒と昆布だけの汁でやる豚しゃぶですが)を知っている人なら誰でも出てくる変形です。じぶんはまだ食べたことがないとか言ってますが、そんなこと言わないでさっさとやればいいのにと思ってしまいました。
私は、燗酒でうまいと思った酒は、時々常夜鍋にしたりします。
ただし、もし著者が雪中梅に特に拘っているという意図だったとすれば、どうして他の酒だといけないのだろうか、と小一時間問い詰めたい(笑)。」
ありがとうございました。
私も書きましたように、
あれがどうして贅沢なのか・・・・
というわけですが、そこは人によりますので、回転寿司でも、とっておきの贅沢という人もいる・・・いないか?
まっ、贅沢の尺度は人によると思うのですが、おっしゃっているように、
どうして、雪中梅、
それもどうして普通酒、
どうして雪中梅だと水炊きで、
どうして〆張鶴だと地鶏・・・と同じく小一時間(大笑い)
酒とは関係ないのですが、
<「米鶴」は米沢の近くで醸される。わたしはこの地で生涯を終えた風雲児・前田慶次郎(前田利家の弟)の事を思いつつ、飲んでいる。「古武士」の風貌の中に、「カブキ者」としての華やかさのある、酒である。>(P106)←さすが、文学博士ですね。古武士の風貌の中に、カブキ者としての・・という酒のコメントについては私のような凡人には理解できませんが、難しいコメントを書きながら、わざわざ(前田利家の弟)これって誤植じゃあなかったら、ホンマにアホですね。慶次郎は前田利家の甥だろうにと一言ツッコミを。ここもベタベタの突っ込みネタですか?普通だったら誤植だろいうと思うのですが、なにしろこの本はあまりにもこの手の間違いという何というか、うけるところが多いものですので一応は・・・・

<満寿泉にも、ワインコルクをつかったものがある。ワインの場合には、「ワインが空気を通すから」という理由のようなのだが、日本酒の場合には空気に触れたら劣化してしまうではないか。>(P127)←ワインが空気を通すからって何。コルクとの書き間違いとしても、空気に触れたら変化するのはワインも日本酒も同じでしょう。酸化というかその変化を味にとっては劣化かどうかは一概には言えないとおもいますが、確かな事はコルクはワインと空気と遮断するために使用しているのです。ひでえ書き方・・・どっかのおかみさんが書いた本と同じ匂いがするように思うのは私だけでしょうか。

この御仁のすごいところは、それぞれの酒に対してのコメントでしょうか。
<東一→西の果ての佐賀県で造っているのに、「東一」というのは不思議な感じもする。>←(蔵元さんに由来ぐらい聞けよナ。東洋一をめざして付けた名称でしょうに。)また飲んだあとの感想でも、この「東一」だが、なかなかよろしいと、えらそうなコメントです。
<奥播磨→平岩氏は(平岩弓枝)旨い大吟醸をすべて知っておられる。絶品だった。あまりにも立派な大吟醸だったので、それとマッチする肴が思い付かなかった。>←(あまりにもアホらしいので、コメントできません。)
<成政→槍の成政なので、口に含んだ瞬間に、槍で敵を貫いたような感覚が体内を通り抜けた。口の中に「血の匂い」がした。>←(血の匂い・・・あんたドラキュ・・・・以下省略)
<六十餘州→最近、腕を上げていると聞くが、まだ東京の地酒専門店では見かけるにいたっていない。山田錦が入手しにくいのだろうか>。←(バカとしか言いようのないコメント。山田錦が手に入れば東京にでてくるのか!!!)またもや意味不明
<千代の縁→ややキツメの美女が、男の目をまっすぐに見つめているので、男の方から目をそらしてしまうという感じの大吟醸でした。弱気の男には攻略がむずかしいかもしれない。>←すみません、私にはついていけません。
<神亀→太陽の光の差さない、深~い海の底に潜っている亀の気持ちはわかった。>←亀は生物学的に光も差さないような深海に・・・・などという突っ込みはしませんが、抽象的すぎるこのコメントの意味は私はわかりません。まあ、私のような人間に理解しろとはいわないでしょうが・・・・(まさか深海のその亀というのはガメラ・・・などというベタベタの吉本ネタじゃあないよね。)
その他としては
<「竹」の銘柄の瓶や箱はなくなりやすいのだろうか。>←コメントしようがない
<「南」は少ないかな。南は暑くて、大吟醸がヒネてしまうという連想が働いてしまうからだろう。>←土佐の南さんこんな事ほざいてますよ。
この御仁の人間性が良く現れているのは酒屋さんにいって「自分はわざわざ遠くから来たのだが、何か珍しい大吟醸はないですか。」と言って何も思わないところでしょう。遠くの店に自分で勝手にいっていながら、「自分は遠くから来たから特別扱いしろ」みたいなものでしょ。あんたそりゃちょっと、ちがうでしょ。

もう思い込み、勘違い、ひどい知識の山盛りの本です。こんな本もあるのだという事で購入されるのはいいと思いますが、自分自身にとり、酒についてのウソの知識、思い込がひどいところがあっても、新しい知識や為になることは絶対にありません。
しかし、こんなひどい本をこのような程度の人に平気で書かせる諸隅宏明という編集の人間も私にはアホとしか思えません。本の帯のコピーは読んだら必ず呑みたくなります!おいしい大吟醸235本教えます。←こんなくだらん本に載っけられてウソの紹介された蔵元はえらい迷惑じゃ!と一言いってみる。
あと、こんな程度の人間が十年も通ってほめまくっている宮田酒店の宮田さんてどうなんでしょう。この本を自分の店に置いて売っている事をインターネットでも宣伝しているみたいですし、私だったら、こんな本にうちの店が紹介されたら、みっともないというかはずかしいというか、頭にきてこの著者をはり倒すかもしれません。あっ、でもお笑いネタとして売っていらっしゃるのであれば、それはそれで洒落としていいのではと思います。(酒の落ちと書いてシャレってピッタリの言葉です)
もしもですが、宮田酒店さんが、この本の内容を知っていてインターネット、店頭でお薦めしていたのであれば、それはそれで問題でしょう。なにしろ内容にあきらかな間違い、またはウソ、あるいは誤植などがあるのですから、購入した方はウソがおもしろくて買う人以外は間違った情報に対してお金を払う事になるのです。
ホームページで、
「当店をひいきにしていただいている島内景二氏の著書が上梓されました。大吟醸に対する氏の思いがひしひしと伝わってきます。酒を愛する人、酒に溺れそうな人、溺れてしまいたい人にお勧めの一献。
当店にて入手できます。 」
とこの迷書を表紙の写真いりで強くお薦めしていた宮田酒店さんのホームページからは、この箇所が、1月15日現在は消えちまいました。

追記
しかし、こいつはホンマもんのアホウ、人間のクズと思いました。こんなアホウに酒の本を書かせるとは、ボケな会社と思っていたら、やっぱ、ボケ会社でした。
あの大吟醸バガボンドを出したバカ出版社が、一月三十日付毎日新聞全国版の社会面(27面)に謝罪広告をだしたそうです。

謝罪広告といっても、どういう間違いか、事実はどうなのかという事などが書かれていないお粗末きわまりない内容です。
蔵元が、回収を求めたのにかかわらず、それを拒否して、大吟醸バガボンドという恥ずかしい内容の本の販売をいまだに続けているいいかげんなこのえい出版というバカ会社の体質をよく表している文章でしょう。(さすがに返本・在庫分は廃棄処分にすると蔵元さんには連絡があったそうです。)
あと、蔵元さんからの抗議があって、回収は勘弁してくれといいながら、その後いきなり書店に平積みになっていたのはどういうわけでしょう。まあ、こんな本を出す腐れ出版社ですから、何をやっても驚きませんが・・・・・・

このわたしが書いたこの島内景二氏の著書である「大吟醸バガボンド」の感想文についての責任は、すべて酒たまねぎやの親父であるわたしにあります。御意見、苦情などはすべて当店にお願いいたします。

 
二名様来店。
二名様来店。
二名様来店。
Aさん来店。
三名様来店。
 

ドンチャン。
一応記憶あり。
猿よりマシ。